シロアリ予防は何をする?点検時期と住まいで見直したい項目

シロアリ予防。住宅の外観を安全な地上から確認する人と、住まいの記録を見直す手元。 シロアリ

シロアリ予防において、まず自分でできるのは、普段の生活範囲で住まいの変化を見て、雨漏り・漏水や家の周囲の状態を見直すことです。あわせて、過去の防蟻処理や点検の記録を確認すると、次に何を尋ねればいいか整理できます。

日常確認は、シロアリの不在を証明したり、専門的な予防施工に代わったりするものではありません。「見えること」「見えないこと」「記録で分かること」を分けて考えましょう。

点検や再処理の時期を考える際は、日本しろあり対策協会が示す5年を目途とする再処理の目安も大切な判断材料です。ただし、薬剤の有効期間、保証期間、点検の時期は、それぞれ意味が異なります。自宅の施工方法や書類と照らし合わせて確認します。

日常の生活範囲で確認できること

雨漏り・漏水と、家の周囲の状態を見る

見るのは、普段使う室内や水回り、地上から安全に見える家の周囲です。次の項目を、無理のない範囲で確認してください。

見るところ確認・記録すること
普段使う水回りや室内水漏れ、雨染みなど気になる変化がないか。あれば場所と気づいた時期を記録する
家の周囲や見えている木部周囲に置かれた木材の状況や、すでに見えている木部の変化を確認する
既存の換気口の周囲換気口がある住宅では、周囲の物で通気が妨げられていないか、見える範囲で確認する

重い物や設備を動かしたり、部材を取り外したりして確かめる必要はありません。住宅によって床下の換気や断熱の仕組みが異なるため、仕様が分からないまま換気口の新設や換気設備の購入へ進まないでください。

雨漏りや漏水への対応は、シロアリがいるかどうかとは別に、住まいを維持するためにも大切です。

湿気対策だけで予防を完結させない

東京都の案内では、ヤマトシロアリなどの予防について、雨漏り・水漏れを放置しないことや湿気への対応、家の周囲の木材管理が挙げられています。ヤマトシロアリは湿った場所を好みます。

一方、イエシロアリは水を運び、乾いた木材にも加害します。乾燥した木材の内部で生活するシロアリもいるため、「乾いているからシロアリはいない」とは判断できません。

予防を考えるときは、次の役割を分けると整理しやすくなります。

  • 日常確認:生活範囲で変化に気づき、場所や時期を記録する。
  • 住環境の見直し:雨漏り・漏水、湿気につながる状態や家の周囲の木材などを確認する。
  • 専門的な予防施工:シロアリの侵入や被害を防ぐための処理を行う。施工方法や対象に応じた判断が必要になる。
  • 点検・調査:住宅の状態やシロアリの兆候を調べ、維持管理を考える材料にする。

日本しろあり対策協会も、予防と定期的な調査による早期発見を重視しています。住環境の見直しだけで、予防施工や点検の必要性まで判断することはできません。

見た目だけでは、被害の有無や見えない場所までは判断できない

生活範囲で異変が見当たらなくても、床下や壁の中、木材内部まで確認できたことにはなりません。反対に、雨染みや木部の変化があるだけで、シロアリ被害と決めつけることもできません。

イエホゼンでは、日常確認を安全に見える範囲の目視と記録に限って案内しています。床下へ入る、壁や床の部材を外す、木材や蟻道らしいものを壊す、自己判断で薬剤を使う方法は勧めません。

見えない場所は「未確認」として残します。日常確認だけで被害の有無を確定する必要はありません。

床や木部などの変化を詳しく整理したい場合は、シロアリ被害の兆候と安全なセルフチェックをご覧ください。羽アリを見つけた場合の確認は、羽アリの見分け方と発見直後に確認することで解説しています。

施工・点検・保証の記録で確認すること

手元にある記録から、分かることを整理する

記録は、過去に何を確認し、どのような処理や修繕をしたかを知る手がかりです。国土交通省や住宅金融支援機構も、住宅の図面や点検・修繕記録の保存と活用を案内しています。

手元にある書類から、次の項目を見てみましょう。

書類・記録確認したいこと
防蟻処理の施工記録処理日、薬剤名や工法名、処理した箇所、施工者
点検報告書点検日、確認した範囲、指摘事項、確認できなかった箇所、その後の対応
漏水・修繕・改修の記録いつ、どこで、何があり、どのように対応したか
図面・住宅の仕様書構造、基礎や断熱の仕様など、分かる範囲の住宅条件

書類が見つからない項目は「不明」で構いません。記録がないだけで、未施工や被害があると判断しないでください。

以前の点検で指摘を受けている場合は、その後の対応が分かるかも確認します。改修の記録だけから、防蟻処理も済んでいると推測しないようにしましょう。

保証開始日は、施工日から推測しない

保証書や約款では、期間・開始日・満了日、対象となる部位や対応、対象外・免責事項、連絡先の記載を確認します。開始日を工事日や契約日から推測して埋めないでください。

保証内容は事業者や契約によって異なり、公式サイトの制度説明だけでは自宅の契約内容は確定しません。書面で分からない項目は、「いつからいつまでの保証か」「どの部位や対応が対象か」など、知りたいことを施工元へ尋ねましょう。

次の点検や相談について確認すること

「5年」は、何の期間かを分けて考える

「新築から5年」「前回の工事から5年」という年数を見たときは、何についての5年なのかを確認します。

区分意味と確認先
薬剤の有効期間日本しろあり対策協会は、協会が認定する薬剤の有効期間を5年と説明しています
再処理の目安協会の防除施工標準仕様書は、防除処理を行った建築物について、保存対策と維持管理上、5年を目途に再処理を行うとしています
個別の保証期間自宅の保証書や約款で確認します。薬剤の有効期間と、そのまま同じ意味にはできません
点検の時期施工方法に応じた維持管理の案内や、施工元からの点検案内を確認します。「点検も一律5年ごと」とは決めません

協会のQ&Aでも、5年を過ぎたらすぐに被害が出るわけではないとしたうえで、再施工を勧めています。5年を目途とする再処理の目安と再施工推奨を踏まえ、自宅の次の対応を確認するという受け止め方が大切です。

この仕様書はヤマトシロアリ・イエシロアリを対象とした専門施工の基準です。新築からの年数だけで、すべての住宅に同じ再処理を必須としたり、逆に不要としたりするものとして使いません。前回の処理日・方法、住宅の条件も判断材料になります。

維持管理の点検、サービスの案内、保証条件を分けて確認する

点検については、次の3つを分けて見ます。

  1. 施工方法に応じた維持管理:どのような方法で施工され、その後どのように点検・管理する案内になっているか。
  2. 利用しているサービスの点検案内:次の点検時期、対象範囲、申込み方法、費用はどうなっているか。
  3. 自宅の保証契約:点検や更新に関する記載があるか。記載があれば、保証との関係を確認する。

たとえば、協会の維持管理型ベイト工法の仕様には、施工後の定期的な訪問点検と記録が定められています。施工方法によって確認すべき維持管理があるため、薬剤の5年という説明だけで、点検を先送りする判断はできません。

また、施工元から点検案内が届くことと、その点検が保証を維持するための契約条件であることは、同じとは限りません。書類に記載がなければ条件を推測せず、「この点検と自宅の保証は、どのような関係ですか」と尋ねてください。

「点検を受けなければ必ず保証が失効する」「どの保証書にも点検条件がある」とは、一律に判断しません。

分からないことに合わせて、次の行動を選ぶ

今の状況から選ぶ。気になる変化は状態に合う窓口へ相談、履歴・時期が不明なら次の点検を施工元に確認、目立つ変化がなくても日常確認と点検の案内を確認。記録がなくても相談できる。

3つは順番ではなく、今の状況に合わせた選択肢です。被害や工事の必要性を判定する図ではありません。

  • 気になる変化がある:雨漏り・漏水は施工元や修繕の相談先へ。シロアリが気になる場合は、点検・防除の専門窓口が選択肢です。気づいた場所や状態を伝えます。
  • 履歴・時期が不明:施工元へ「前回はいつ、どの方法で処理したか」「次の点検はいつ、何を確認するか」を尋ねます。保証満了が近い場合や、点検案内を見ても対応が分からない場合も、確認を検討しましょう。
  • 目立つ変化がない:日常確認を続けながら、施工方法に応じた維持管理や点検の案内を見ておきます。異変が見えないことだけで、点検不要とは決めません。

記録がなくても相談できます。 「書類が見つからない」「施工時期が分からない」と伝えて構いません。点検や施工を依頼する場合は、内容・範囲・費用を確認して検討しましょう。

よくある質問

新築から5年なら、保証も満了したと考えてよいですか?

新築からの年数だけでは分かりません。自宅の保証書に記載された開始日と期間・満了日で確認します。協会が示す薬剤の有効期間や再処理目安と、個別契約の保証期間は別です。

保証書に点検のことが見当たりません。どうすればよいですか?

点検案内や契約書類にも記載がなければ、点検と保証との関係を施工元へ尋ねてください。記載が見当たらないことだけで、点検不要や保証失効と推測しないでください。

まずは、分かることと尋ねたいことを整理しよう

シロアリ予防は、住環境の見直しだけで完結するものではありません。安全な日常確認、専門的な予防施工、点検にはそれぞれ役割があります。協会の再処理目安も踏まえ、いまの住まいについて分かることと、次に確かめたいことを整理しましょう。

参考情報・出典

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